ゴー宣DOJO

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小林よしのり
2016.1.22 04:51政治

産経新聞の「愛しいシト」は叶えてくれるか?


慰安婦像を釜山の日本総領事館前にも設置する計画が

進められているという。

韓国政府がこれを阻止できるものだろうか?

韓国政府が民間の運動家を説得するか、警察力で阻止しな

ければ、そもそも日韓が政府どうしで「合意」に至っても、

何の意味もないことになる。

 

産経新聞がしばらく「歴史戦」などという企画をやっていたが、

慰安婦問題では「歴史戦」に敗北した。

それにしては産経新聞は安倍政権を批判しない。

これが民主党政権だったら、連日紙面は慰安婦問題だらけで、

お抱えの論客が民主党批判一色に染まっていただろう。

もう慰安婦問題では、ナショナリズムを煽らないことに決めた

ようだ。

 

だが安倍晋三は産経新聞にとって、恋人並みに「愛しいシト」だ。

その上、安倍政権の背中を押したアメリカも、産経新聞にとって

「愛しいシト」だ。

「愛しいシト」に裏切られたとは思いたくない。

「愛しいシト」とはどうしても敵対関係になりたくない。

だからブツブツと口先だけで文句をつぶやいてみるように、

「韓国は慰安婦像を撤去しないってよ。」「釜山でも作るってよ。」

といじけながら言い続けている。

 

「愛しいシト」に浮気されたけど、一回きりなら許してあげるが、

ふとした時に文句をつぶやく。

女々しいとは、このことか!

 

こうして2回目の浮気、3回目の浮気と続いていくのだが、

「憲法改正」を口先で言い続けてくれる限り、別れられない。

「憲法改正」は産経新聞にとって、「本当に愛しているのは

お前だけなんだよ。」という甘い囁きだ。

「憲法改正」、それを安倍ちゃんが言うだけで、身も心も溶けて

しまうのが、産経新聞だ。

 

でも改正と言っても、「まずは緊急事態条項からだよ」と誤魔化

される。

「愛しいシト」は巧妙だ。肝心の約束は、先へ先へと伸ばされる。

だが待っているうちに、「愛しいシト」には「あさが来た」と

「アサコール」がかかる。

するとすべてが夢だったと悟るのだ。

ああ、「愛しいシト」、あなたのリングが欲しかった。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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